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久保みずきスタッフの今日このごろ


by kubomizuki

精液所見について

これまで当院では、1999年にWHO(世界保健機構)で定められた精液検査の基準値を参考にしていましたが、2010年にこの基準値が変更になったので、当院でもこれに準ずることとなりました。


●精液量 2.0ml以上→1.5ml以上
●総精子濃度 1ml中に2000万以上→1ml中に1500万以上
●総運動率 50%以上→40%以上
●前進運動率 25%以上→32%以上
●正常形態率 15%以上→4%以上

に変更になります。


変更前と比べると随分と変わっています。
今まで基準値以下だった方が、今回の基準では正常ということもあるので戸惑われるかもしれませんが、目安だと思って頂ければいいかと思います。


では、どのようにして基準値を決めているのかというと、「避妊をやめた後12ヶ月以内にそのパートナーが妊娠に至った男性の精液所見」だそうです。
また、この基準値は下限基準値とされています。つまり、妊娠に至ったカップルの最も低い値ということです。

妊娠の時期は女性の状態に影響されるということはもちろんですが、精液所見は男性間でも、個人でも大きく変動しているので、妊娠に至ったときは検査時よりも所見がよかった可能性も十分に考えられます。
またWHOでは、「95%の基準範囲内にある精液所見でも生殖能を保証していない」とも「ここでいう下限基準値以下でも必ずしも生殖能が無いわけではない」とも記載されています。
所見の結果だけにとらわれず、目安だと思って参考にして下さい。

培養士
by kubomizuki | 2011-10-17 13:00 | 培養室